Post-stroke Spasticity

脳卒中後の痙縮

脳卒中後の痙縮
(けいしゅく)について

痙縮とは筋肉が緊張しすぎてしまっている状態です。脳卒中などの脳の病気の後遺症で、手足の筋肉に力が入り過ぎている状態です。
痛みの原因になることや、つっぱった足が引っかかって転んでしまう原因になることがあります。

治療には、飲み薬の治療や注射薬による治療で、緊張した筋肉を緩める方法があります。
リハビリテーションを組み合わせることもあります。

各部位の症状

手の痙縮の症状と困ること

手首が曲がっている、手を握りしめたままで指が開きにくい、などの状態のため、下記のような症状のお悩みはありませんか?

  • ものがうまくつかめない
  • 手や指を十分に洗えない
  • 爪がうまく切れない

肘の痙縮の症状と困ること

肘を曲げたままの状態のため、下記のような症状のお悩みはありませんか?

  • 着替えがしにくい
  • 人や物などに肘をぶつけてしまう

足の痙縮の症状と困ること

足がつっぱって動かしにくい状態のため、下記のような症状のお悩みはありませんか?

  • つま先が引っかかって転びやすい
  • 歩きにくい
  • 装具が合わない

治療法

飲み薬治療と注射によるボツリヌス毒素治療に対応しています

ボツリヌス毒素治療について

ボツリヌス毒素は筋肉を動かす神経をブロックする作用があります。緊張しすぎている筋肉に注射することで、その筋肉を緩めることができます。
筋肉が柔らかくなり、下記の効果が期待できます。

期待できる効果

  • リハビリテーションがしやすくなる
  • 着替えや手洗い、歩行などの動作がしやすくなる
  • 介護の負担が軽くなる
  • 筋肉のこわばりによる痛みが和らぐ
  • 関節が固まってしまう状態の「拘縮(こうしゅく)」になるのを防ぐ

ボツリヌス毒素治療の流れ

1.脳卒中などの脳の病気の経過などを詳しく問診いたします

2.神経症状について診察をします

3.痙縮の程度を評価し、投与する筋肉やお薬の必要量を試算します

4.ボツリヌス毒素治療について説明します

5.ご同意後に治療薬を発注します

6.後日の予定注射日に再度ご来院いただきます

7.超音波(エコー)で筋肉をみながら施注します

8.注射終了後も痙縮の状態の評価に定期通院していただきます

9.効果が得られ、再投与をご希望の場合は約3ヶ月毎の治療になります