Ohisama Note

おひさまノート

脳について 2025.03.01

眼精疲労と頭痛の関係って?

目次

今回は眼精疲労と頭痛の関係について説明をしていこうと思います!

まずは眼精疲労の明確な定義について解説していきましょう。

眼精疲労とは

眼精疲労とは、視作業(眼を使う仕事)を続けることにより、
眼痛・眼のかすみ・まぶしさ・充血などの眼の症状や、
頭痛・肩こり・吐き気などの全身症状が出現し、
休息や睡眠をとっても十分に回復しえない状態をいいます。

原因としては、目になんらかの問題があって発生することが
多いのは言うまでもありませんが、その多くは度の合わない眼鏡を
使用していたり、老視(老眼)の初期などで無理な作業を
行った場合などです。

緑内障や白内障、ドライアイでも眼精疲労が出現することがあります。

最近は時代の移り変わりもあり、パソコンやスマートフォンなどを
使用する機会が増え、これらが原因の眼精疲労が増えています。

それ以外にも、全身疾患に伴うもの・心因性のもの・
環境によるものなど、眼精疲労をもたらす要因は
非常に多岐にわたっています。

参考・引用文献:公益財団法人 日本眼科学会
https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=26(3/1時点)

眼精疲労の原因(分類)

眼精疲労の原因には、いくつかあります。

眼精疲労を起こす原因そのものが頭痛を引き起こしたり
悪化させてしまうことがあります。

それではなぜ眼精疲労が起こってしまうのか、
その原因をひとつずつ、簡単に解説していきましょう。

1)調節性眼精疲労(近視・遠視・乱視など)

調節とは、その名の通りピント調節のことです。

見る対象にピントを合わせる調節は、
目の中にある毛様体筋と水晶体が行っています。

毛様体筋が伸縮することで水晶体の厚みを調整しピントを合わせています。

長時間目を使う作業(読書・事務作業・パソコン・スマートフォンなど)は
毛様体筋の疲労を招いてしまうという結果につながります。

また、加齢による老視も調節性障害であり、近くが見えにくく
なるものですが、これも適正な矯正を行わないでいると
調節性眼精疲労が起こってしまいます。

参考文献:頭痛と眼精疲労,若倉雅登,42:4:421~423,1999

VDT症候群

上記で少し登場した、パソコン・スマートフォンほかにもテレビなどの
画面を見すぎることにより、さまざまな症状が出ることを
VDT症候群といいます。

近年、このVDT症候群が問題となっているんです。

VDT(Visual Display Terminalの略)はそれらの画面の総称で、
デジタル機器の普及と眼精疲労の増加に関連があるとされています。

集中して画面を見つめるVDT作業ではまばたきが減り、
涙が目の表面から蒸発しやすくなり、
目の乾燥も進むと言われています。

日々の長時間のVDT作業により目や全身の疲労が慢性化すると、
仕事の効率が落ちたり、気分が落ち込むなどの
影響がでてしまうと考えられています。

2)筋性眼精疲労

眼球の筋肉である外眼筋が疲労して起こる眼精疲労です。

外眼筋とは、眼球を動かす筋肉の総称です。

例えば、高度の斜視や眼筋麻痺・輻輳障害など、
両目の位置の異常や働きの不均衡によって引き起こされる疲労です。

※輻輳障害:近くのものを見るときに両目が寄り目にならず、
視線を外側にずらす、などの視機能の問題のこと。

※斜視:右目と左目の視線が違う場所に向かっている状態のこと

参考文献:日本弱視斜視学会 https://www.jasa-web.jp/general/medical-list/strabismus(参照2025-2-5)

3)不等像性眼精疲労

不等像性眼精疲労とは、左右の視力の差(不同視)に大きな差があり、
脳が左右の像を処理しきれず、目の疲労感や頭痛、めまいなどの
症状を引き起こすことを言います。

近視や遠視、白内障などの病気によって左右の視力が
異なることでも起こりえます。

4)症候性眼精疲労

もともと目を使うことに関して問題のない方が、目あるいは
全身的な病気のために目の疲労を引き起こしているものをいいます。

例えば目の病気でいえば、白内障・緑内障・結膜炎の初期などです。

その他の全身疾患では、更年期障害や高血圧、
低血圧なども原因になりえるといえます。

5)神経性眼精疲労

神経性眼精疲労とは、自律神経の乱れやストレスなどが
原因で起こる眼精疲労です。

具体的には、過労や睡眠不足、長期間続くストレス、
更年期障害などによるホルモンバランスの乱れ、
などが原因になります。

眼精疲労・眼精疲労による頭痛を治す方法!

頭痛を引き起こす眼精疲労について少し理解が深まりましたね!

では、次は眼精疲労を治して頭痛も改善させる方法についてお話しましょう。

〇原因の除去

第一に重要なのが、原因を除去することです。

環境や生活習慣を改善する、ストレスをうまく解消する
といったことなどがあります。

ただ、通常はすぐに症状が軽減するということはありません。

全身的な病気が原因で眼精疲労を起こしていることもあるため、
思い当たる要因を除去しても改善しないという場合には、
お早めにご相談ください。

〇薬を使って治そう!

毛様体筋(ピントを合わせる筋肉)をリラックスさせる
点眼薬、目の疲労を軽減する点眼薬などを使用します。

必要に応じて、内服薬を併用します。

〇眼鏡・コンタクトレンズ

近視・遠視、乱視や老眼などの屈折の異常が原因になっている
場合には、眼鏡やコンタクトレンズによる矯正が必要です。

すでに眼鏡やコンタクトレンズを使用しているという場合には、
検査を行い、必要に応じて度数を調整します。

また、コンタクトをやめて眼鏡に変更する、
コンタクトの装着時間を長くする、といった方法を
とることもあります。

眼精疲労の対策をしましょう!

◎適度な休憩のために、
「20-20-20」ルールを知りましょう!

長時間近くのものを見る作業は、眼精疲労を引き起こしやすい条件です。

アメリカの眼科学会の発表では、
20分に1回、20秒間、20フィート(約6m)離れたところを見ることで
毛様体筋の疲労が回復されると言われています。

20秒というと短すぎるような気がするかもしれませんが、
デスクワークをしているときなど、
私たちは意外なほど目の休憩をとれていません。

お仕事の合間でも簡単にできる方法なので試してみてください!

◎環境を整えましょう!

眼精疲労が起こりにくい環境を整えることも大切です。

環境を整える方法として、様々なものがあります。

代表的なものについて少しご紹介しますね。

  • 周囲を明るくする
  • 画面の明るさを調整する
  • ブルーライトカットの眼鏡をかける
  • エアコンの風が直接当たらないようにする など

生活習慣を改善しましょう!

パソコン・スマートフォン・ゲームの時間の使用時間を
控えることは特に大切になります。

時間があるときに触ってしまうという場合には、
外出やスポーツの時間を増やすのがオススメです。

近くを見ることが少なくなり、目を休めることになります。

◎目にはビタミンがいい!

食事・栄養面ではビタミンB群、ビタミンC、ビタミンAを
積極的に摂りましょう!

目を機能させる神経・筋肉系の維持にはビタミンの摂取は
欠かせません。

〈ビタミンB₁〉

ビタミンB₁は、糖質からのエネルギー産生と皮膚や粘膜の
健康維持を助ける働きをします。

摂取量が不足すると、エネルギー不足により、視神経の働きが
悪くなり、眼精疲労が起こりやすくなります。

多く含まれる食べ物:豚肉、にんにく、玄米、そば、枝豆など

〈ビタミンB₂〉

ビタミンB₂は、細胞の再生や成長に欠かせないビタミンで、
目の働きを助けます。

粘膜を保護する作用があり、結膜炎を予防してくれます。

多く含まれる食べ物:うなぎ、レバー、サンマ、牛乳、卵、そば、アボカドなど

〈ビタミンB₁₂〉

ビタミンB₁₂は、視神経の働きを改善してくれます。

多く含まれる食べ物:レバー、しじみ・あさり等の貝類、のりなど

〈ビタミンC〉

ビタミンCには、新陳代謝を促進する働きや、抗酸化作用があります。

眼精疲労、充血、白内障を予防してくれます。

多く含まれる食べ物:いちご、キウイ、パセリ、さつまいも、ブロッコリーなど

〈ビタミンE〉

ビタミンEには、抗酸化作用、血行促進作用があります。

眼精疲労、ドライアイ、白内障を予防してくれてます。

多く含まれる食べ物:アーモンド、お茶、いくら、うなぎ、たらこ、ヒマワリ油など

◎ストレス解消!

ストレスを解消できる趣味を見つけましょう!

眼精疲労対策としては、音楽、旅行、スポーツ、アウトドアでの
遊びなど、目を酷使しないものがおすすめです。

目の周りを温める

まぶたにホットタオルなどを乗せるのもおすすめです。

目の周りを温めることで血行が改善、筋肉の弛緩によって、
疲労の蓄積を防ぎます。

リラックスもできるので、寝る前のリセット習慣と
するのもいいですよ。

おひさま脳神経外科・歯科へ!

上記で紹介したような方法を試してもなかなか改善が
見られない場合は、眼科でしっかりと目を診てもらうようにしましょう。

目を休めることを意識しても、頭痛が改善しない場合は
念のため脳神経外科などを受診し、
頭の病気がないかを調べておくと安心できます。

なにかありましたら、ぜひおひさま脳神経外科・歯科へ
足をお運びください!