2023年12月20日にアルツハイマー型認知症の新薬であるレカネマブが保険承認されました。
病気の原因とされるアミロイドベータに直接作用し、認知症の進行抑制が実証された初の薬です。
多くの期待と注目が集まっています。
しかし、いくつかの注意があります。
治療適応を見極めるための専門的な検査が必要なことと、脳が腫れる・脳出血といった副作用です。
このため、副作用が起こりやすい治療開始から半年間は広島大学病院などの基幹病院で治療する必要があります。
副作用が出にくくなる7か月目からは関連学会専門医が1名の施設でも投与可能なため、 当院でも治療できることになりました。
また、中等度以上に進行した方や、アルツハイマー型以外の認知症には使えません。
そのためレカネマブが適応となるのは、認知症全体の数%程度と言われ、広島市ですと約5万人の認知症の方は対象外となる概算です。
大多数の方にとっては、認知症の方とそのご家族への支援とケアや認知症予防のための生活習慣改善や歯周病治療等がこれからも大切です。
認知症は自分自身ではなかなか気が付きにくい疾患です。 ご家族の方や周りの方で、あれ?と思ったら是非ご相談ください。