Ohisama Note

おひさまノート

医療コラム 2024.01.22

院長の片頭痛エピソード #その2

身体の中でも大切な脳に関わる医師として、長年、頭痛の診療にも携わってきました。

そんな私も片頭痛の経験があります。

はじめて発症した時のことなど、私自身の片頭痛にまつわるエピソードを紹介します。

 

 

30代の中堅脳神経外科医であったころの話です。

 

広島大学病院に勤務し、手術や研究などでやはり多忙な日々を送っておりました。

ある日、学会で東京出張がありました。

学会は準備には労力が要りますが、始まって現地入りすれば楽しいものです。

脳神経外科の手術と比べれば集中力は必要なく、発表自体に患者さんの命がかかっているわけではありませんので、日常診療から解放された時間となります。

 

学会が終わって、羽田空港から広島便に搭乗して帰広の途に就きました。

その機内で、やってきたのが「閃輝暗点」でした。

青いような緑のような、すりスリガラス状のものが視界に現れ、どんどん大きくなっていきました。

 

「これはマズイ、片頭痛が始まる!」、と財布の中やカバンの中を探しました。

片頭痛治療薬であるトリプタン製剤が、備えとして1錠は手持ちで入れてあるはずです。

しかし、いくら探しても見当たりません。

 

前の頭痛発作で使い果たしてしまって、補充していなかったようでした。

自宅には残りがあるはずですが、飛行機はまだ中間地点の辺りでした。

前兆のみで過ぎ去ってくれ…、と祈りながら目を閉じ、静かにしていましたが、残念ながら頭痛はやってきました。

 

段々と頭痛は強くなってきましたが、なるべく静かにして耐えるしかありませんでした。

片頭痛の発作時には、普段は気にならない機内アナウンスも耳に響いてしまい、頭痛も強まる感覚になりました。

 

これは聴覚過敏といって、片頭痛の特徴の一つです。

 

「暗く、静かなところで、横になれるなら横になっておきたい…。」、片頭痛の発作の時は、そのような心境です。

 

その後は、なんとか耐えながら家にたどり着き、薬を飲んで早く就寝しました。

 

 

最後まで読んでくださりありがとうございます。

 

「院長の片頭痛エピソード #その3」 は2024年春ごろ更新予定です。

 

 

片頭痛の誘因

 

多忙な日々の中で学会に参加し、それが無事に終了して、あとは帰宅するだけという場面でした。

こうした、疲労がたまっている状況に加えて、それまでの緊張がふと緩んだときにも片頭痛は出やすいです。

 

発作時の特徴・随伴症状(光過敏・聴覚過敏)

 

普段なら何でもないような光の量、日差し、照明なども眩しく感じます。

また、それほど大きくない物音でも、頭に響いてしまいます。

いずれも、片頭痛の発作時に伴うことがある特徴的な症状です。

においに敏感になるという随伴症状が出る方もおられます。

 

 

 

院長の片頭痛エピソード #その1 はこちら