Ohisama Note

おひさまノート

睡眠時無呼吸症候群 2025.06.19

CPAP治療とは?睡眠時無呼吸症候群に使われる治療法

目次

CPAP治療とは、睡眠時無呼吸症候群を治療する方法の1つです。

睡眠時無呼吸症候群とは気道が塞がってしまい、眠っている間の呼吸が不十分になってしまったり、一時的に呼吸が止まってしまったりしてしまう病気です。

CPAP治療はマスクから圧力がかかった空気を気道に送り込み、気道が塞がるのを防ぎます。

この記事ではCPAPの仕組みや、CPAP治療以外の睡眠時無呼吸症候群を治療する方法について解説します。

「CPAP治療を受けたい」
「もしかしたら睡眠時無呼吸症候群かもしれない」

このような方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
なお、当院でもCPAP治療に対応しています。

治療を検討している方は、ぜひ一度当院にご相談ください。

CPAP治療とは、マスクで上気道に空気圧を送る機械

CPAP治療(経鼻的気道持続陽圧療法)とは、専用の機械を使った治療法です。睡眠時無呼吸症候群のうち、中程度~重度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群を持つ方がこの治療の対象になります。

睡眠時無呼吸症候群閉塞性睡眠時無呼吸症候群CPAP治療の対象
中枢性睡眠時無呼吸症候群CPAP治療の対象外

睡眠時無呼吸症候群については、こちらの記事を参考にしてください。

睡眠時無呼吸症候群とは?原因や症状、治療について解説

ここではCPAP治療の仕組みや、期待できる効果についてまとめました。

CPAP治療の仕組み

CPAP治療とは、専用のマスクを装着して圧力をかけた空気を送り込み、舌根(舌の奥の部分)が気道へ落ち込むのを防ぐ治療法です。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の患者さんでは、眠っている間に舌根が落ち込んで空気の通り道を塞いでしまいます。空気が通れず気道が閉塞するため、眠っている間の呼吸が不十分になり、日中の眠気や集中力の低下が起こります。

CPAP治療は患者さんが眠る時、専用の機械を装着して行う治療法です。鼻にマスクを被せて圧力がかかった空気を送り込み、舌根により閉塞していた部分に空気の通り道を確保します。

CPAP治療に期待できる効果

CPAP治療に期待できる効果は複数あります。数々の臨床研究で報告されている効果をまとめました(※1)。

  • 高血圧を予防する(一夜当たり4時間以上の治療)
  • 日中の眠気を改善する(一夜当たり4時間以上の治療)
  • 動脈硬化など心血管系疾患に関連する指標を改善する
  • 脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患リスクを低下させる(一夜当たり4時間以上の治療)
  • 交通事故リスクを低下させる

なお、自己判断でCPAP治療を中断すると症状が再発するため、閉塞性睡眠時無呼吸症候群が根治していない間は、治療を継続することが望ましいです。マスクの不快感や圧迫感がある場合や、逆に息苦しさを感じてしまう時は、送り込む空気の圧力設定などがご本人に合っていないことも考えられます。設定の調節や、マスクのタイプを変更することなど、医師やCPAP治療機器メーカーの窓口へ気軽に相談しましょう。自身に合った設定で、無理なく装着してCPAP治療に慣れていくことが、最初の段階では大切です。治療によってよく眠れたという感覚が少しずつ得られたり、日中の眠気や体のだるさなどが徐々に改善したりしてくれば、治療を続けてみようという気持ちも高まってきます。

(※1 参考)睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020

CPAP治療以外に睡眠時無呼吸症候群を治療する方法

CPAP治療は効果の高い治療法ですが、他にも睡眠時無呼吸症候群を治療する方法はあります。

睡眠時無呼吸症候群の治療法についてまとめました。

  • マウスピース治療
  • 鼻やのどの処置、手術
  • 生活習慣の改善

当院は脳神経外科のほかに歯科も併設しているため、CPAP治療に加えてマウスピースの治療も対応できます。

マウスピース治療(OA療法)

OA(oral appliance)療法とも言われる治療法で、軽症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群で対象になることがあります。

CPAP治療より効果は小さいものの、生活の質を改善し、心血管疾患のリスクである高血圧の改善が期待できる治療法です(※1)。

マウスピースを装着すると、下顎が前へずらされるため舌根が落ち込んでも気道が塞がりにくくなります。

マウスピースは自分に合った形の器具を装着する必要があり、歯科で作成します。

(※1 参考)睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020

鼻やのどの処置、手術

マウスピース治療やCPAP治療が難しい場合、耳鼻咽喉科での処置や手術が選択肢となる場合があります。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群では、鼻中隔湾曲や咽頭・喉頭の扁桃腺の構造が原因で気道が塞がってしまう症例も見られます。

肥満には当てはまらないのに閉塞性睡眠時無呼吸症候群を発症している場合、のどや鼻の構造に原因が見つかる場合もあるため、一度耳鼻咽喉科を受診しましょう。

生活習慣の改善

CPAP治療やマウスピース治療を行った上で、減量により肥満を解消すると症状を軽減できます。

肥満が原因で睡眠時無呼吸症候群を発症している場合は、まず治療を受けて生活の質を改善しながら、食事や運動など生活習慣を見直してみましょう。

特に肥満の方は首周りに脂肪がつくため上気道が狭くなり、気道が塞がりやすいため睡眠時無呼吸症候群を発症しやすい傾向があります。

時間はかかるものの、適正体重まで減量して肥満を解消すれば、症状を原因から改善できる可能性があります。

当院でもCPAP治療に対応しています

睡眠時無呼吸症候群は日中の眠気やだるさを引き起こすだけでなく、合併症のリスクもあります。生活の質を保って健康に過ごすには、早めの受診、治療が大切です。

CPAP治療は睡眠時無呼吸症候群に有効な治療法であり、日中の眠気を改善したり心血管疾患リスクを低下させたりとさまざまな効果を期待できます。

当院では閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療に対応しています。

「CPAP治療を受けたい」
「もしかしたら睡眠時無呼吸症候群かもしれない」

このような方は、一人で悩まず一度当院へご相談ください。

検査の結果を踏まえて、CPAP治療をはじめ症状や年齢、体質に合った治療をご提案いたします。

イラスト:帝人ヘルスケア株式会社さま提供