近年、目立たない歯科矯正として注目を集めているマウスピース矯正。しかし、「デメリットはないの?」「従来のワイヤー矯正とはどう違うの?」と疑問に思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
この記事では、マウスピース矯正の隠れたデメリットから、ワイヤー矯正との詳細な比較まで、矯正治療を検討している方が知っておくべき重要な情報を包括的にかつ分かりやすく解説しています。
マウスピース矯正は、透明な合成樹脂素材の歯列矯正装置(アライナー)です。
患者様の歯型を機械に取り込みます。
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理想の歯列に向けた3Dシミュレーションを作成し、段階的な歯の移動を計画します。
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★ 1日20時間程度の着用
★ 約1週間毎に新しい装置に取り換える
→上記の2点を想定して、段階的に歯の移動が行えるような形態の異なる矯正装置を作成します。
「インビザライン・システム」は、1997年に米国企業アライン・テクノロジー社により開発され、1999年から矯正市場に導入されました。「クリアチェック・ソフトウェア」によって視覚的に歯の移動方法を明確に提示できます。また、矯正に適した素材・デザインが提供されており、歯の移動の精密なコントロール・予測に応じた対応が可能です。
2023年3月時点で、世界各国で広く提供され、1500万人以上がインビザラインによる治療を受けていると報告されています。
矯正方法によって、患者様の生活に与える影響が異なります。比較する項目は以下の7つです。
それぞれの特徴を理解して、ご自身のライフスタイルに合う治療選択を行いましょう。
項目 | マウスピース矯正 | ワイヤー矯正 |
---|---|---|
審美性 | ★★★★★ 透明で目立たない | ★★☆☆☆ 金属やワイヤーが目立つ |
取り外し | ★★★★★ 自由に着脱可能 | ★☆☆☆☆ 固定式 |
アレルギー対応 | ★★★★★ 金属アレルギー対応 | ★★★☆☆ アレルギー非対応なものが多い |
治療期間 | 症例の重症度によって変動 | |
痛み・不快感 | ★★☆☆☆ 弱い | ★★★★☆ 強い |
清掃性 | ★★★★★ 取り外して歯磨き可能 | ★☆☆☆☆ 治療中に虫歯と歯周病になるリスクが高くなる |
日常生活への影響 | ★★☆☆☆ 少ない | ★★★★★ 大きい |
✓ 装着時間の厳守が必要
✓ 装着初期の違和感・痛み
✓ よくあるトラブル
✓ リスク回避策
✓ 口腔ケアの手間
✓ 初期費用の高さ
✓ 追加費用の可能性
マウスピース矯正は多くのメリットを持つ矯正治療です。しかし、デメリットも存在します。特に自己管理の必要性などは事前に理解しておく必要があります。
本記事でお示しした「ワイヤー矯正との比較」からも分かるように、それぞれの矯正治療には各々の得意分野があり、患者さんの口腔状態、ライフスタイル、費用対効果、経済的な考慮、といった様々な方面を歯科医師と共に検討し、最適な治療方法を選択することが、より良い歯並びと口腔状態をもたらします。