Medical Column

医療コラム

医療コラム 2024.10.23

インフルエンザの予防方法!ワクチンの必要性について解説!

目次

昨シーズン(2023‐2024)のインフルエンザは、国内で1年4か月に
わたって流行が続き、報告数は前シーズンの約4.2倍に達しました。

世界的にも、陽性報告数は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)以前を
上回る規模で拡大しました。

今シーズンは、マスク着用が個人の判断となったことやワクチン接種率の低下、
増加する海外との往来の影響でインフルエンザ感染のリスクが
高まると予測されています。

インフルエンザとは

インフルエンザは、インフルエンザウイルスを病原とする
気道感染によって起こる病気です。

一般的な風邪とは分けて考えるべき重くなりやすい疾患です。

毎年世界各地で大なり小なりインフルエンザの流行がみられます。

わが国のインフルエンザの発生は、毎年11月下旬から12月上旬頃に
始まり、翌年の1月から3月頃に患者数が増加し、
4~5月にかけて減少していくパターンを示します。

しかし夏季に患者が発生することもあり、流行の程度とピークの時期は
その年によって異なります。

季節性インフルエンザと新型インフルエンザって何が違うの?

インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスは、抗原性の違いにより
A型、B型、C型、D型に大きく分類されます。

ヒトでの世界流行(パンデミック)を引き起こすのはA型のみとされています。

・季節性インフルエンザ:A型のインフルエンザはその原因となる
            インフルエンザの抗原性が小さく変化しながら
            毎年世界中の人の間で流行しています。
            B型はA型のように毎年の抗原変異は起こりません。

・新型インフルエンザ:新型インフルエンザの法律上の定義としては、
           「新たに人に伝染する能力を有することとなったウイルスを
           病原体とするインフルエンザであって、一般的に国民が
           当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、
           当該感染症の全国的かつ全国的なまん延により国民の生命及び健康に
           重大な影響を与えるおそれがあると認められるもの」
           この抗原性が大きく異なったインフルエンザウイルスが現れ、
           多くの国民が免疫を獲得していないことから全国的に急速にまん延します。

           この国民の健康と生命、生活に多大な影響を及ぼす可能性が
           あるものを新型インフルエンザと呼んでいます。

一番最近での新型インフルエンザは、
2009年に「インフルエンザ(H1N1)2009」が発生しています。

しかし、世界に流行が広がり、多くの国民が新型インフルエンザに対して免疫を
獲得するにつれ、このような新型インフルエンザも、季節的な流行を
くり返す程度になってきました。

インフルエンザ(H1N1)2009についても、2011年4月からは、
季節性インフルエンザとして取り扱われることになりました。

参考文献:インフルエンザ(季節性)対策/首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/influenza.html

インフルエンザの症状

38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感など
全身の症状が突然現れるのが特徴です。

併せて一般的な風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、
咳などの症状も見られます。

お子様ではまれに急性脳症を発症し、ご高齢の方や免疫力の低下
している方では肺炎を伴うなど、重症化することがあります。

インフルエンザに特に注意が必要な人!

上記でも説明した通り、インフルエンザにかかることでみなさんの
健康と生命、生活に多大な影響を及ぼす危険性があります。

どのような方が、その危険性のリスクが高いのか説明していきましょう。

高齢者のインフルエンザは危険!死亡率も上がる

高齢者のインフルエンザの死亡率は若い人と比べても高い傾向があります。

実際の統計を見ても、インフルエンザによる死亡者の多くを
高齢者が占めています。

平成22年度の厚生労働省のデータによると、インフルエンザが原因で
死亡した人の35%が60歳以上でした。

また、このうちの97%の人が基礎疾患、いわゆる持病を持っていました。

このことから、高齢者でなんらかの持病がある人は、
インフルエンザによる非常に大きなリスクを抱えていることになりますね。

インフルエンザの子どもの死亡率は?

インフルエンザで死亡する子どもは多くはありません。

研究では、0~9祭では3年間でおよそ7,467,200人、10~14歳では3,725,300人の
受診がありましたが、28日以内の死亡はそれぞれ156人、36人でした。

ただし、インフルエンザ脳症をきたすと、死亡率は上昇します。

インフルエンザ脳症はインフルエンザ感染に伴い、急速に発症する
脳の炎症です。

意識障害やけいれん、異常な行動・言動をきたします。

そのほとんどが発熱から1~2日以内に認められます。

インフルエンザだと気を抜かず、症状の変化などに気を配りましょう。

参考文献:
日本の医療データベースから算出された季節性インフルエンザの重症化率
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000906106.pdf

インフルエンザから身を守るためには?

(1)正しい手洗い

私たちは毎日、様々なものに触られていますが、それらに触れることにより
自分の手にもウイルスが付着している可能性があります。

ウイルスの体内侵入を防ぐため以下のことを心がけましょう。

・家に帰ってから、ご飯を作るとき、食事のまえなどこまめに手を洗う。

・ウイルスは石けんに弱いため、石けんを使って手を洗う。

手を洗う前に

・爪は長くないか確認しておきましょう。

・時計や指輪がついたままになっていないか確認しましょう。

石けんで手を洗い終わったら、十分に水で流し、
清潔なタオルやペーパータオルでよく拭き取って乾かしましょう。

(2)早めのワクチン接種

インフルエンザを発病した後、多くの人は1週間程度で回復しますが、
中には肺炎や脳症等の重い合併症が現れ、重症化してしまう人もいます。

インフルエンザワクチンを打つことで、発病の可能性を減らすことや、
重症化を予防することが期待できます。

なお、接種回数は、13歳以上は原則1回、13歳未満は2回となります。

(3)十分な休養とバランスの摂れた栄養接種

体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスの摂れた
栄養摂取を日頃から心がけましょう。

(4)適度な湿度を保つ

空気が乾燥すると、のどの粘膜の防御機能が低下します。

乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って、
適切な湿度(50%~60%)を保つことも効果的です。

(5)人の多い場所への外出を控える

インフルエンザが流行してきたら、特に高齢者や持病のある人、
妊娠中の女性、体調の悪い人、睡眠不足の人は人の多い場所への
外出を控えましょう。

やむを得ず外出して人ごみに日ある可能性がある場合には、
ある程度、飛沫感染等を防ぐことができる不織布のマスク
着用することは1つの防御策となります。

(6)室内ではこまめに換気する

一般家庭でも、建物に組み込まれている常時換気設備や台所

参考文献:
政府広報オンライン/インフルエンザの感染を防ぐポイント「手洗い」
「マスク着用」「咳(せき)エチケット」
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/200909/6.html

インフルエンザワクチン接種について

インフルエンザにかかる人、死亡率を低下させるため、
日本ワクチン学会は生後6か月以上のすべての人に対する
インフルエンザワクチンの接種を推奨しています。

●国内で承認されているワクチン

→インフルエンザHAワクチン

●接種回数と接種間隔

→13歳以上の方は、1回接種を原則としています。

ただし、医学的な理由により医師が必要と判断する場合は、
1~4週間の間隔で2回接種します。

→生後6か月以上13歳未満の小児は2~4週間の間隔で2回接種します。

ただし、世界保健機関(WHO)はワクチンの用法において、
9歳以上の小児および健康成人に対しては1回接種が適切であるとしています。

また、米国予防接種諮問委員会(US-ACIP)も9歳以上の者は
1回接種とする旨を示しています。

なお、月齢6か月から8歳の小児であっても、過去に4週間以上の間隔を
あけて合計2回のインフルエンザワクチンの接種歴があれば1回接種で
よいことが示されています。

→日本ワクチン学会は、何らかの事情で2回の接種機会が得られない場合でも
少なくとも1回は接種し、未接種のまま、インフルエンザシーズンを
迎えないことを推奨しています。

インフルエンザワクチンの効果

・65歳以上の高齢者福祉施設に入所している高齢者については、
 34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があったとされています。

・6歳未満の小児を対象とした2013‐14~2017‐2018期の研究では、
 発病防止に対するインフルエンザワクチンの有効性は、
 41~63%と報告されています。

・3歳未満の小児を対象とした2018‐19~2019‐20期の報告では、
 発病防止に対するインフルエンザワクチンの有効性は
 42~62%と報告されています。

インフルエンザワクチンの副作用

インフルエンザワクチンの接種後には、注射部位の発赤、痛み、腫れなどの
局所反応や、発熱、悪寒、頭痛、倦怠感、関節痛、筋肉痛などの
全身反応を含む副反応が出現する可能性があります。

これらの副反応は、通常2~3日以内に消失します。

また、重い副反応の報告がまれにあります。

ただし、報告された副反応の原因がワクチン接種によるものかどうかは、
必ずしもそうであるとは言えません。

参考文献:2024‐25期の季節性インフルエンザワクチンの接種に関する
     日本ワクチン学会の見解
https://www.jsvac.jp/pdfs/20240920.pdf

インフルエンザワクチンの接種をお考えの方、
ぜひおひさま脳神経外科・歯科へ!!

インフルエンザワクチンの重要性について理解が深まりましたでしょうか?

インフルエンザにかかるとリスクの多い高齢者や子どもが
ワクチンを打ったり、栄養管理などの予防をしっかりと行うことは
とても重要です。

ですが、リスクのある人だけが予防を頑張ればいいわけではありません。

多くの方にインフルエンザに対する認識を変えていただき、
インフルエンザにかかる人を少しでも減らすこともとても重要です!

当院でも10月15日からインフルエンザワクチン接種が始まります!

当院は、

  • 予約不要
  • 広い駐車場の完備
  • 3歳以上のお子様も対応可能

となっております。

詳しいことは、ホームページにある下記の記事に記載してあります!

インフルエンザワクチン接種をお考えの方は、
ぜひおひさま脳神経外科・歯科へお越しください。