みなさんは、コーヒーがお好きですか?
コーヒー摂取は世界的に増加傾向にあり、日本においても50%以上の人が
コーヒー摂取の習慣があるとされています。
コーヒーに含まれるカフェインの摂取量が、適量を超えてしまった場合に
慢性的な摂取によって片頭痛を引き起こしたり、片頭痛の慢性化の危険性があるとされています。
このことから、頭痛に直接的に関係しているのは、カフェインだと分かります。
本記事では、コーヒー(カフェイン)と頭痛の関係性について
日本脳神経外科学会専門医と詳しく解説していこうと思います。
カフェインは、コーヒー豆やカカオ豆、茶葉などに天然に含まれており、
コーヒーと茶葉がカフェインの主要な摂取源となっています。
摂取すると疲労感が和らいだり、眠気が覚めるたりする効果がカフェインにはあります。
他にもコーヒーやお茶のなどの飲料だけでなく、エナジードリンクなどの
清涼飲料や栄養ドリンクにも含まれています。
カフェインには血管を少し収縮させる作用があります。
片頭痛が起きているとき、脳や硬膜の血管がひろがっています。
コーヒーを飲むと、ひろがっていた血管が少し収縮して、痛みが和らぐと考えられていました。
しかし、最近では片頭痛のときの血管拡張は、
原因ではなく、結果であるとの説もでています(三叉神経血管説)。
カフェインの頭痛を和らげる効果は、血管を収縮させること以外からかもしれません。
例えば、アデノシンという物質が片頭痛の時に血液中に増え、原因の一つの可能性があります。
カフェインにはアデノシンをブロックする作用があります。
片頭痛患者さんでは頭痛があるときもないときも、胃の動きが弱っている場合があります。
カフェインは胃の動きを改善させます。
その結果、痛み止めの吸収がよくなり、頭痛が和らぐ効果が高まるのかもしれません。
他の要因で起こる頭痛に対してもコーヒーで緩和できることがあるので、
すこし解説していこうと思います。
参考文献:
Nowaczewska M, Wiciński M, Kaźmierczak W: The ambiguous role of caffeine in migraine headache: from trigger to treatment. Nutrients 2020, 12, 2259
まずは、二日酔いについて説明しましょう。
二日酔いとは、お酒の酔いが翌日まで残っている状態のことです。
ということは、次の日になって現れる吐き気やめまい、頭痛などの
症状だけでは、本当の意味での二日酔いとは判断が出来ないのです。
そして、二日酔いの頭痛の原因は「アセトアルデヒド」と呼ばれる
物質が原因だといわれています。
肝臓がアルコールを分解すると、たばこなどにも含まれるアセトアルデヒドを
産生してしまいます。
お酒を飲み過ぎて身体が脱水状態になってしまっていると、
アセトアルデヒドを尿として身体の外に排出することが出来ません。
お酒を大量に摂取すると肝臓で分解しきれず、頭痛を引き起こします。
そこで頼りになるのが、コーヒーです。
コーヒーにはカフェインが含まれていることは、上記で解説しました。
カフェインには血管を収縮させる以外にも、利尿作用があるといわれています。
カフェインによる利尿作用で、アセトアルデヒドを体の外に排出し、
血管を収縮させる作用で脳の循環をよくすることで頭痛は解消されます。
ただし、胃が弱っている場合はブラックコーヒーだと少し刺激が強いため、
コーヒーを飲むときにも注意が必要です。
そのため、牛乳を入れてミルクコーヒーにすることで、
胃に負担がかかりにくく、たんぱく質も一緒の摂取出来るのでおすすめです。
二日酔いで、頭が痛いときはコーヒーを飲んでみてはいかがでしょうか。
急な気圧・気温の変化によって体調を崩しやすくなります。
ほかの記事でも紹介した「気象病」に悩まされている方は多くいらっしゃいます。
低気圧で身体にかかる圧力が少なくなると、いつもより血管やリンパ管が膨張し、
頭痛、倦怠感、むくみを引き起こします。
カフェインには、血管を収縮させる効果があり、低気圧で膨張した血管を
もとに戻して、頭痛の症状を和らげる効果が期待できます。
日々のコーヒーで心と体を整えて、気象病を乗り越えましょう!
まず、睡眠はみなさんの体にとても重要なことはよく知らていると思います。
睡眠には、体や心などの疲れをとり、ストレスを解消する働きがあります。
睡眠不足によるストレスは、体を緊張させ頭痛を引き起こします。
寝不足で起こる頭痛は「緊張型頭痛」が多いです。
しかし、寝不足で片頭痛が起こることもありますので知っておきましょう。
カフェインの片頭痛の効果は、上記で説明している通りです。
ですが、寝不足により頭が痛くなったとき、一番大切なのは睡眠をとることです。
睡眠をしっかりとれる環境をつくり、日中に適度の運動をし、
夜にしっかりと眠れるように予防しましょう!
「緊張型頭痛」または「片頭痛と緊張型頭痛の両方」を持っている方には、
逆にコーヒーはよくないとされています。
筋肉は通常、使っているときには収縮しており緊張状態にあります。
そして、コーヒーに含まれているカフェインには血管を収縮させる効果があります。
そのため、筋肉が緊張している状態で、さらに血管を収縮させてしまうと
血流が悪くなり、より頭痛を悪化させてしまう恐れがあるのです。
カフェイン中毒とは、一度に大量のカフェインを摂取すると急性中毒が起こり、
摂取することをやめられなくなってしまうことです。
カフェインの過剰摂取すると、初期に現れるのが心拍数の増加、
興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気などの症状です。
重度の場合は、パニック発作やけいれん、頭痛、過呼吸などの症状が現れます。
どうしてカフェイン中毒に陥るまで、カフェインに依存してしまうのでしょう?
人間は、脳内にある「アデノシン」と「アデノシン受容体」と呼ばれる
2つの物質がくっつくことで、眠気や疲労を感じています。
しかし、カフェインを摂取すると、血流により脳内のアデノシン受容体と結びつき、
アデノシンが受容体に結合できなくなるため、眠気や疲れを感じにくくなります。
ただ、カフェインの適量範囲を超えた摂取をくり返すうちに、
少量のカフェインでは脳に働きにくくなってしまいます。
これにより、より強い眠気や疲労を感じ、それを解消しようと
カフェインの量が次第に増えていき「カフェイン依存症」に陥ることがあるのです。
また、日本中毒学会の調べだと、国内でカフェインを多量に含む
眠気防止薬やエナジードリンクなどの急性中毒で、2011年度から5年間に101人が
救急搬送され、7人が心肺停止、うち3人の死亡が確認されています。
カフェイン中毒を軽くみていると最悪な場合死に至ることもあります。
自身のカフェイン摂取量がどのくらいなのか把握しておくことをおすすめします。
カナダ保健省(HC)においても、2010年に1日あたりのカフェイン摂取量として、
健康な成人で400mg(コーヒーをマグカップで約3杯)まで、
世界保健機構(WHO)では、カフェインの影響がより大きい妊婦や授乳中、
あるいは妊娠を予定している女性は300mg(コーヒーをマグカップで約3〜4杯)まで
とされています。
カフェインを生涯摂取し続けたとしても、健康に悪影響が生じないと推定される
1日当たりの摂取許容量については、個人差が大きいことなどから、
日本においても、国際的にも設定されていません。
引用・参考文献:
カフェイン200mg以上を常習的に摂取している人の一部では、
カフェイン摂取の急激な中断後、カフェイン効果の逆の症状で特徴づけられる
頭痛、眠気、倦怠感、意欲低下といった離脱症状が出現します。
カフェイン離脱の症状は軽度から重度までさまざまで、
時には日常生活を大きく障害することがあります。
離脱症状は、カフェインを最後に使用してから12~24時間後に始まり、
1〜2日後にピークを迎えます。
通常は2〜9日間続きますが、頭痛は21日間まで続く可能性があります。
しかし、カフェイン摂取量を少しづつ減らしていくことで、離脱症状の出現を回避できます。
治療としては、カフェインをとめるときは、突然とめるのではなく、
7~14日かけて少しづつ量を減らしていくことが重要です。
これらから、普段飲んでいる飲み物にも多くのカフェインが入っていることが分かります。
知らないうちに、カフェインの取りすぎになっていないか注意することが必要になります。
先程説明した、カフェインが多く含まれている飲み物とは逆に
カフェインが含まれていない飲み物もあります。
その中でも、健康効果が高いおすすめの飲み物をいくつか紹介します。
まずは、みなさんもよく知っている麦茶です。
麦茶は穀物である大麦を原料としているため、茶葉を原料としている
紅茶や緑茶とは違い、カフェインが含まれていません。
すっきりとした味わいの麦茶は、暑い夏を乗り越えるお供になるでしょう。
最近では、ルイボスティーもコンビニやスーパーでよく見かけられる
馴染みやすい飲み物になったのではないでしょうか。
ルイボスティーには、さまざまな成分が含まれており健康にいいものが多いです。
まず、ルイボスティーには日本茶や紅茶に含まれるカテキンが
ほとんど含まれていません。
また、ノンカフェインのため、妊娠中の方、乳幼児の方も安心して飲むことができます。
他にも、ミネラルやビタミン類も豊富に含んでいるため健康にもいいです。
たんぽぽ茶はたんぽぽの根から作られる、コーヒーに似た飲み物です。
名前を聞いたのもはじめてという方も多いのではないでしょうか。
たんぽぽ茶には、腸の環境改善やむくみ解消に役立つ成分など、
体に嬉しいものが含まれています。
その成分には、食物繊維や生命活動に欠かせないミネラルやビタミン類があります。
そして、ノンカフェインのためカフェインを避けたい方にもおすすめです。
その他にも、ノンカフェインのコーヒーや紅茶もあります。
黒豆茶、ごぼう茶、どくだみ茶、そば茶などもあります。
これまでコーヒーや紅茶を好んで飲んでいたという方も、
さまざまなノンカフェイン飲料があるので試してみてはいかがでしょうか。
カフェインには血管を収縮させる作用があり、脳の血管が拡張することで
引き起こされる「片頭痛」の緩和にはとても効果が期待できることがわかりました。
逆に「緊張型頭痛」または「片頭痛と緊張型頭痛の両方」を持っている方には、
コーヒーはよくないこともわかりましたね。
しかし、カフェインの取りすぎは体に悪影響を及ぼしてしまうこともあります。
そのため、カフェインの取りすぎには自身で気を付けるようにしましょう。
また、ノンカフェインの飲み物も活用して、体の健康・生活を改善しましょう!
当院は、日本脳神経外科学会専門医が診察を診察しており、
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日本東洋医学会専門医・日本内科学会認定医が診療しています。
おひさま脳神経外科・歯科は院内を完全バリアフリー化しており、
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