Medical Column

医療コラム

医療コラム 2024.06.11

めまいは何科?病院・診療科の選び方を原因別に紹介!

目次

めまいは、一生のうちに経験する人が3割にのぼるといわれていますが
みなさんはめまいについてどの程度認識されていますか?

めまいとは、身体のバランスを保つことが出来なくなる状態のことです。

実際には動いてないはずの自分が動いているように感じる錯覚現象をいい、
人によって症状がちがえば、原因もちがいます。

では、めまいがあり、病院に行きたいときは何科を受診すべきなのでしょうか?

日本脳神経外科学会 専門医の医師が、詳しく紹介していきます。

【めまいの原因別】病院・診療科の選び方

“めまい”といっても、めまいの強さや種類は人それぞれです。

ここからは病院・診療科を選ぶポイントを、めまいの原因別に解説します。

解説する代表的なめまいの区別は大きく3つあります。

  • 脳の病気によって起こるめまい→脳神経外科・脳神経内科が適している
    →ふわふわ、ふらふら、ぐるぐる回る
  • 耳の病気によって起こるめまい→耳鼻咽喉科が適している
    →ぐるぐる回る
  • その他の病気によって起こるめまい→漢方内科や内科等が適している
    →立ちくらみのような症状


なお、解説するめまい以外にも様々な種類のめまいがあります。

脳神経領域が原因の場合、命に関わるような病気が隠れている可能性もあります。

また、めまいは診断や治療が難しい事があげられます。様々な診療科目の領域にまたがる可能性が
あるため、「この症状なら絶対この診療科」ということは言い切れません。

ですが大まかには分類できますので、これからめまい(眩暈)の原因になる代表的な疾患について
解説していきます。

脳の病気によって起こるめまい

脳の病気によって起こるめまいは、命に危険が及ぶ可能性が高い場合や
大きな後遺症が残ってしまうことがあります。

そのため、ためらわず脳神経外科、脳神経内科もしくは救急外来を受診しましょう。

このようなめまいで疑われる病気は、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)、脳腫瘍などです。

脳卒中とは、脳の血管に障害が起こる病気の総称です。

代表的なものには脳の血管が詰まる脳梗塞と、脳の血管が破れる脳出血、
脳の表面のくも膜と脳の間にある血管が切れて出血するくも膜下出血があります。

脳卒中症状によって起こるめまいは、「脳幹」「小脳」で出血や血管の閉塞などが
起こることで出現します。

症状としては、突然の強いめまいや頭痛、一方の耳からの聴力の低下や耳鳴り、
視界が二重に見える複視、ふらつきがあります。

めまいや頭痛と同時にしゃべりにくいといった言葉の症状や身体がうまく動かない、
しびれるという身体の麻痺症状が一緒に現れたときは、緊急性が高い状態であることが多いです。

一刻も早い治療が必要になるケースが多いため、この場合はMRIを完備している
脳神経外科や脳神経内科に行くことをおすすめします。

耳の病気によって起こるめまい

耳の病気によって起こるめまいは、大部分では命に関わることはありません。

しかし、慢性化して頻繁にめまいが起こるようになってしまうと仕事や生活に影響し、
精神的にも悪い影響を与えることがあります。

そのため、強いめまいや、軽いけれど長く続く・何回もくり返し起こるなどの
症状に気がついたら、なるべく早く耳鼻咽頭科を受診しましょう。

耳が原因でめまいを起こす代表的な病気は、良性発作性頭位めまい症、メニエール病、
前庭神経炎などがあります。

めまいで最も多い病気が良性発作性頭位めまい症です。

良性発作性頭位めまい症は、頭の位置が変化することで耳の奥にある半規管が刺激されます。

それに反応して、短時間の回転性めまいに吐き気を伴う病気です。

頭を動かさなければめまいが起こりませんが、動かすとめまいに悩まされます。

これは、命の危険がないということから「良性」という名前がついています。

良性発作性頭位めまい症は、年齢が高いほど起きやすく、高齢者では平衡感覚に
大きな影響が出ることがあります。

それにより、転倒して怪我につながる危険性もあります。

メニエール病とは、突然日常生活に支障を与えるほどの回転性めまいを
くり返し起こし、耳鳴り・耳が圧迫される感覚・難聴などの症状を特徴とする病気です。

耳の奥にある「内耳」と呼ばれる部分は、身体の回転やバランス(平衡感覚)を
感じ取る役割を持っています。

メニエール病はこの内耳と呼ばれる器官がむくみを起こすことで発症します。

メニエール病を疑う場合は、耳鼻咽頭科を受診することをおすすめします。

前庭神経炎は、突然の強い回転性めまいと吐き気を生じる病気です。

安静にしてもなかなか治まりませんが、体を動かすとさらに悪化します。

なんらかの原因で内耳から脳へ情報を伝える前庭神経が障害されて

めまいを生じると考えられています。

脳卒中などが原因のめまいと違って、意識が悪化することや、呂律が回らない、
手足が動かなくなるなどの症状は起こりません。

そのため、生命に危険のある病気ではありません。

その他の病気によるめまい

その他の病気によるめまいには、前失神性めまいを引き起こす心臓病や貧血、自律神経障害があります。

それ以外にも片頭痛、うつ病や不安症といった心因性のものもあります。

前失神性めまいとは、名前の通り症状がひどいと失神を起こす危険があります。

心臓病によるめまい

心臓病により、一時的に心臓の働きが弱くなると血圧が低下してしまい、

めまいを起こすことがあります。

心臓病とは、心臓の働きに障害がおきる病気の総称です。

胸のどきどきや痛みを伴うことがあります。

血圧の低下が大きい場合は前失神(失神しそうな状態)から失神に至ることがあります。

貧血によるめまい

貧血によるめまいは、特に女性の方(生理、妊娠中など)に多く見られる

傾向にあります。

貧血とは血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンという物質が
少なくなった状態のことを言います。

ヘモグロビンは、血液に乗って酸素を体中に運ぶ重要な役割を持っています。

そのため、ヘモグロビンの量が少なくなってしまうと体の組織に十分な酸素が
行き渡らず、さまざま不調が現れてしまいます。

症状としては、めまいや立ちくらみ、動悸や息切れ、頭痛、倦怠感などがあります。

自分がどうして貧血になっているのかの原因を見つけることが重要です。

自律神経障害によるめまい

自律神経障害によるめまいは、強いストレスがかかった状態や、
特にご高齢の方では排尿・排便の後などに一時的に自律神経がうまく働くことが
出来なくなることがあります。

それにより、血圧が下ってしまい、立ちくらみやふらふらするめまいや
前失神性めまいを起こし、強いと失神に至ることがあります。

繰り返す場合は、自律神経障害を引き起こす慢性疾患がないか探す必要があります。

片頭痛によるめまい

片頭痛によってめまいを生じることがあります。

片頭痛の特徴には、光や音に対して過敏になることや、目がチカチカするなどの
前兆症状が見られることが挙げられます。

片頭痛によるめまいにお悩みの方は、脳神経外科・脳神経内科に行くことをおすすめします。

うつ病や不安障害によるめまい

うつ病や不安障害などの心因性のものでも、めまいを生じることがあります。

ご自身がこころに不安を抱えている事に気付いていない場合、
めまいの原因が分からないこともあります。

心因性が原因のめまいは、心療内科や精神科で相談する必要があります。

めまいの治療には漢方薬がおすすめ!

めまいの治療としては、脳卒中の場合は手術や点滴などの入院治療となります。

耳が原因の場合は、内耳の働きを補助する西洋薬での対応となります。

その他のめまいでは漢方薬を使用することがあります。

めまいに漢方薬がおすすめの理由は大きく3つあります。

  • 根本にアプローチする

漢方薬は、西洋薬とは違う診察方法や考え方でお薬を決めていきます。

ストレスや季節の変わり目などで崩れてしまった体のバランスを、
足りない部分は補い、過敏になっているところは抑えるなどの方法で、整えていきます。

発生した症状の改善を図ることはもちろんですが、
繰り返さないために体質を改善することも漢方薬ではアプローチできることがあります。

繰り返すめまいにお悩みの方は漢方薬を選択肢に入れてみてもいいかもしれません!

  • 生活にとり入れることで生活習慣の見直しに

めまいの改善には生活習慣を見直すことや、ストレスがかからない環境を整えることが望ましいです。

漢方薬は食前や食間の内服となることが多いです。

例えば朝、食前に漢方薬を内服しようとする場合は、余裕をもって起床しないと
朝食前20~30分にお薬を飲むことができません。

漢方薬をきちんと飲むように行動していると、自然とお薬を飲むタイミングと食事の時間、
仕事や日常生活の時間配分を意識するようになり、生活習慣も改善してくる可能性があるでしょう。

  • 生薬由来の成分で作られている漢方は化学薬品と比べて副作用が
    少ない傾向にある

化学薬品・西洋薬を使い続けることに不安のある方にとっては、
漢方の方が心理的な負担も減らすことができるかもしれません。

漢方薬で体質から見直すことが改善につながります。

漢方薬を処方する際は、どのような症状や体調なのかが重要になり、

総合的に判断した「証」に合わせて漢方薬を出していくことが多いです。

回転性のめまいには「温めて水の巡りを整える漢方薬」を。

くらくらするめまいには「水の巡りを整える漢方薬」「血を補う漢方薬」を。

ふわふわするめまいには「自律神経を整える漢方薬」「体を温める漢方薬」を。

漢方薬にはめまいに有用なものが多くあります。

めまいで漢方薬を使用されたい方は、当院にご相談ください。

脳神経外科医の院長も漢方薬治療に積極的に取り組んでいます。

また、非常勤で漢方薬を専門的に学んでいる
日本東洋医学会専門医・日本内科学会認定医が診療しています。

めまいで受診する病院に迷ったら
おひさま脳神経外科・歯科へ

めまいは我慢したり、安静にする、市販薬を服用したりして対処するという方が少なくありません。

しかし、原因が分からずに時間が経っても治らないめまいや、
めまいと一緒にしゃべりにくいといった症状がある場合は、
回復に時間がかかる場合や、大きな病気のサインのめまいというケースもあるため
早めに病院やクリニックを受診しましょう。

行先に迷う場合や、自分でめまいの原因がわからない場合、
大きな病院に行きづらい場合などは、MRIを完備している当院へご相談していただくことで、
命の危険を及ぼすめまいにも早期に対応できます。

おひさま脳神経外科・歯科は院内を完全バリアフリー化しており、車椅子の患者様にも
安心して受診していただけます。

保育士が在籍するキッズスペースでは、無料でお子様をお預かりしていますので、
子育て中でめまいにお悩みのママ・パパにも、安心して受診していただけます。

耳鼻咽頭科で専門治療が必要な場合や、入院や手術などのより詳細の検査・治療が必要な場合は
提携する以下の医療機関等をご紹介いたします。

  • 【耳鼻科領域が原因の場合】
     なかお耳鼻咽喉科アレルギー科
  • 【入院・手術が必要な場合】
    広島大学病院 脳神経外科
    広島赤十字・原爆病院
    広島市民病院
     県立広島病院
     荒木脳神経外科病院
    梶川病院
     一ノ瀬病院

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