Medical Column

医療コラム

医療コラム 2024.02.01

頭痛の原因・治し方とは?現役の医師が解説します

日本人の4人に1人が悩まされているという頭痛。

頭痛の原因は多岐にわたります。
中には命にかかわるような病気が隠れているケースもあり、侮ることはできません。

頭痛が続くと仕事や勉強に支障をきたしたり、生活の質が下がったりとデメリットばかり。
本記事では頭痛の種類や原因、治し方を専門医がわかりやすく解説します。

合わせて病院を受診すべきか、簡単な見分け方も紹介します。

頭痛に悩んでいる方。
病院を受診すべきか迷っている方は、ぜひ本記事をお読みください。

自分で対処できる頭痛・病院を受診すべき頭痛の見分け方

頭痛の見分け方

一言で頭痛といっても、頭痛の原因によって痛みの強さや痛む場所、頻度などはことなります。
中には命にかかわるほどの大きな病気が隠れていることも……。

ここでは、自分で対処できる頭痛と病院を受診できる頭痛の見分け方を解説します。

なお紹介する見分け方はあくまで一例です。
頭痛がなかなか改善しない方、いつもと違う頭痛を自覚した方は、速やかにお近くの医療機関を受診してください。

自分で対処できる頭痛

自分で対処できる頭痛は、以下があります。

  • 頭の一部分だけがズキズキ痛い
  • いつもと同じような痛み
  • キューっと締め付けられる痛み
  • 肩こりがする
  • カフェインやアルコールをとりすぎたあとの頭痛
  • 強いストレスを感じたりや緊張したりしたあとの頭痛

このような症状は、肩こりや疲れなどによる一過性の頭痛や慢性的な頭痛に多くみられます。
一次性頭痛ともよばれ命にかかわることは少ないですが、日常生活には影響を与えてしまうタイプの頭痛です。

病院を受診すべき頭痛

病院を受診すべき頭痛は、以下があります。

  • 急激に頭が痛くなった
  • 今まで経験したことのない痛み
  • 締め付けられるような痛み
  • 吐き気やめまいがする
  • しゃべりにくい
  • まっすぐ歩けない
  • 目が見えにくい・二重に見える
  • 手がしびれる
  • 物が持てない
  • 高熱がある
  • 転んだり頭をぶつけたりしたあとの頭痛

このような頭痛は、なんらかの病気が隠れているときにみられます。

二次性頭痛ともよばれ、原因には

くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、髄膜炎、脳腫瘍、脳動脈解離、感染症、薬の使いすぎ

などがあります。
二次性頭痛の場合は治療が遅れると後遺症が残ったり、命に関わったりする危険性があります。

日中であればかかりつけ医療機関や脳神経外科、夜間であれば救急外来を受診しましょう。

知っておきたい!さまざまな頭痛と原因

頭痛にはたくさんの種類があります。
ここからは頭痛の診療ガイドラン2021に紹介されているさまざまな頭痛とその原因を紹介します。

片頭痛

片頭痛は、頭が脈打つようなズキズキする痛みが特徴で、さまざま原因で脳の血管が拡張したために神経や脳を刺激し痛みを生じます。

片頭痛は通常4〜72時間持続し、文字通り頭の片側におこることもあれば、頭の両側におこることもあり個人差が大きいです。

片頭痛についてくわしくはこちらの記事で解説しています。

“【意外と知らない】頭痛(片頭痛)の原因・診断・治療・予防方法【専門医が解説】”

ぜひ、こちらの記事もご参照ください。

寝起きの頭痛

寝起きの頭痛は、起き上がったり体勢を変えたりしたときに、血圧が下がったり、脈が速くなったりしたために、頭の血管に負担がかかり生じる頭痛です。

首の後ろや後頭部などに頭痛を感じやすい特徴があります。
横になることで血圧が安定し、症状が和らぐことが多いです。

緊張型頭痛

緊張型頭痛

緊張型頭痛は、心や体の緊張が影響して生じる頭痛です。
心の緊張とは、精神的なストレスを感じている状態です。

ストレスにさらされると脳の痛みを感じる部分がうまくコントロールできなくなり、普段よりも痛みに敏感になり頭痛を感じやすくなります。

体の緊張とは無理な姿勢や長時間の同一姿勢などが原因で、目の疲れや首や肩周りがこっている状態です。

長時間のパソコンやスマートフォン操作により、目が疲れたり首・肩周りの筋肉が緊張したりして血流が悪くなると乳酸が筋肉に溜まります。溜まった乳酸が神経を刺激して、頭痛を感じやすくなります。

代表的な緊張型の頭痛は、目の周りや頭の前の方を締め付けられるような鈍い痛みです。

緊張型頭痛の症状は数時間~数日間繰り返す場合と、ずっと続く場合があります。

三叉神経・自律神経性頭痛(TACs)

三叉神経・自律神経性頭痛は、内頚動脈の血流が増えたり、視床下部などの働きが活発化したために生じる頭痛です。

目の奥や目の上、頭の横側がとてもひどく痛む以外にも、目の充血や涙、鼻水や鼻づまり、まぶたのむくみや発汗、縮瞳や眼瞼下垂、落ち着きのなさなどさまざま症状がおこります。

三叉神経・自律神経性頭痛は15~180分程度持続し、夜間〜睡眠中に生じやすいです。
片頭痛とはことなり男性が発症することが多く、その割合は女性の3~7倍にのぼります。

薬の飲み過ぎによる頭痛(MOH、薬物乱用頭痛)

頭痛やつらい症状を緩和するために服用する頭痛薬。
その頭痛薬を飲みすぎてしまうと、頭痛がおこってしまうケースがあります。

頭痛薬の飲み過ぎによる頭痛には、次の特徴があります。

  • 1か月に10~15日以上頭痛薬を飲んでいる
  • 3か月を超えて頭痛薬を飲んでいる
  • 薬を飲み始めてから新たな頭痛が出現したり著明に悪化した
  • 薬を辞めてから2ヵ月以内に頭痛が消失したり以前のパターンに戻った

子どもの頭痛

子どもの頭痛

世界中の研究結果によると、頭痛に悩んでいる子どもの割合は54.4%にのぼります。

その中で多いのは片頭痛と緊張型頭痛で、それぞれで悩んでいる子どもの割合は以下のとおりです。

年齢

片頭痛

緊張型頭痛

6~12歳(小学生)

3.5%

5.4%

12~15歳(中学生)

4.8~5%

11.2%

15~18歳(高校生)

15.6%

26.8%

そのほかにも、子どもの頭痛は怪我やウイルス性疾患・副鼻腔炎など二次性頭痛が原因のケースもあるため、いつもと違う頭痛や激しい頭痛を訴える場合には、必ず医療機関を受診してください。

病気が原因の頭痛(二次性頭痛)

頭痛の中には、病気が原因で発症するものがあります。

頭痛がおこりやすい病気には、以下があります。

  • くも膜下出血
  • 脳梗塞
  • 脳出血
  • 髄膜炎
  • 脳腫瘍
  • 脳動脈解離
  • 感染症

これらの病気が原因で発症している頭痛は、原因となっている病気を治療しないと症状の改善が見込めないばかりでなく、命にかかわることも少なくありません。

いつもと違う頭痛や、我慢できないほどの頭痛の場合は、速やかに医療機関を受診してください。

専門医がすすめる頭痛の治し方・治療方法

専門医がすすめる頭痛の治し方・治療方法

インターネットやSNSには、さまざまな頭痛の治し方・治療方法があふれていますが、信憑性や安全性に欠けるものもあります。

ここでは、以下の4つの頭痛の治し方・治療方法を専門医が詳しく解説します。

  • 頭痛の原因を解消する
  • 病院で頭痛薬をもらう
  • 薬局で頭痛薬を買う
  • 薬以外の頭痛解消法を取り入れる

頭痛の原因を解消する

頭痛の原因は、疲れやストレス、睡眠不足、寝すぎ、血圧の変動や急激な気温の変化、お酒の飲みすぎや空腹、副鼻腔炎や虫歯など多岐にわたります。

同一姿勢で長時間パソコンやスマートフォンを操作していたり、眼が疲れていたりするときはこまめに休息をとり、目を休め体を動かしてください。

疲れや睡眠不足、お酒を飲みすぎているときは、生活習慣を見直しましょう。

副鼻腔炎や虫歯などが原因のときは、耳鼻科や歯科で適切な治療を受け、頭痛の原因を解消しましょう。

病院で頭痛薬をもらう

おひさま歯科で検査

病院でもらう頭痛薬には、アセトアミノフェンやロキソニンなどの痛み止め以外に片頭痛をおこりにくくする片頭痛予防薬と発作をおさえる急性期治療薬(トリプタン製剤)があります。

最近は、片頭痛の予防に特化した片頭痛予防薬であるCGRP関連抗体薬を使用する患者さんが増えています。

片頭痛をおこす物質の1つであるCGRPを抑制し、発作の回数を減らす効果が期待できる薬です。

そのほかにも、血管を広げ頭痛がおこるきっかけになる血管収縮を妨げる、プロプラノロールやミグシス®などの降圧薬。
神経の興奮を抑えるバルプロ酸ナトリウムなどの抗てんかん薬を併用する方もいます。

2024年1月時点でトリプタン製剤には、次の5種類があります。

スマトリプタンコハク酸塩、リザトリプタン安息香酸塩、:エレトリプタン臭化水素酸塩、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン塩酸塩

薬によって内服・点鼻・自己注射などの用法や、効くまでの時間・効果の持続時間などが異なっているため、お一人おひとりの症状に合わせて薬を選択します。

薬局で頭痛薬を買う

薬局やドラッグストアで市販されている頭痛薬でも、症状の緩和が期待できます。

代表的な頭痛薬には、以下があります。

成分名

市販薬名

アセトアミノフェン

カロナール・タイレノール・ラックル

ロキソプロフェンナトリウム

ロキソニン

イブプロフェン

バファリン

市販薬の頭痛薬には、複数の成分が組み合わされて配合されていたり、胃薬が配合されていたりとさまざまな種類があります。市販薬は病院で頭痛薬をもらうよりも手軽に、軽度の片頭痛や緊張性頭痛の症状緩和ができます。

しかし、薬を飲みすぎてしまったために頭痛になってしまったり、命にかかわる病気を見逃してしてしまったりする危険性が潜んでいるため、市販薬に頼りすぎるのはやめましょう。

また、中等度以上の痛みやつらい痛みの片頭痛で、市販薬では十分な効果が実感できない方は、医療機関でトリプタン製剤を処方してもらうとよいでしょう。

薬以外の頭痛解消法を取り入れる

頭痛の治療には薬を使う以外にも、次のような頭痛解消法があります。

行動療法

リラクセーション法、バイオフィードバック法、認知行動療法、催眠療法

理学療法

有酸素運動、カイロプラクティック、鍼治療

ニューロモデュレーション

経頭蓋磁気刺激、三叉神経刺激、迷走神経刺激

行動療法のリラクセーション法や理学療法では、体のコリや張りをほぐす効果があり緊張型頭痛の緩和が期待できます。

そのほかにも認知行動療法では、頭痛になる原因や行動を避ける方法を学ぶことで、頭痛を起しにくくする効果が期待できます。

最近では、片頭痛に対する迷走神経刺激などニューモデレーションについても研究がすすんでいます。
頭痛に悩んでいる方は、頭痛解消法を取り入れてみてはいかがでしょうか?

頭痛・片頭痛を治すなら当院の頭痛外来へ!

おひさま歯科_内観

頭痛は痛いだけでなく、仕事の効率を悪くしたり日常生活の質を下げたりしてしまいます。
原因や症状も多岐にわたり、お一人おひとりに合った治療や対処が頭痛の根治にはかかせません。

当院では、脳神経外科と歯科という2つの視点から頭痛の原因を見つけ対処します。

頭痛に悩んでいる方、CGRP関連抗体薬など最新の治療を受けたい方は、当院へお気軽にご相談ください。

参考資料

頭痛の診療ガイドライン2021 日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会

https://www.jhsnet.net/pdf/guideline_2021.pdf