Medical Column

医療コラム

医療コラム 2024.05.31

脳神経外科と脳神経内科の違いを専門医が解説!両方関連する病気も?

みなさんは脳神経外科と脳神経内科の違いを知っていますか?

「違いがよくわからない」「どっちの科を受診したらいいかわからない」という声を
患者様からいただくことがあります。

脳腫瘍・くも膜下出血・頭部外傷などの外科的手術・処置が必要か、将来的に必要に
なるかもしれない病気は脳神経外科が主に対応しているといえます。

手術・処置以外の治療(薬剤など)を行うアルツハイマー病やパーキンソン病などは
脳神経内科が適しているといえます。

これらの詳しい違いについて専門医が解説を進めていきたいと思います。

脳神経外科とは

脳神経外科とは

脳神経外科は、脳・脊髄・神経を専門に診断や治療をする診療科です。

脳腫瘍、脳出血、くも膜下出血、頭部外傷による頭蓋内出血などの
診断をして、外科的な治療を含めた総合診療を行います。

これらの病気が見つかった場合、手術をする必要があるかどうかは
脳神経外科医の判断によります。

みなさんは脳の病気と聞くと怖いイメージがあるのではないでしょうか?

実際には、とても日常的な症状や出来事、ふとした気付きが診療のきっかけとなります。

例えば頭痛、吐き気、転倒頭をぶつけてしまった、話すのが難しいなどの症状は
日常の中で起こりうることです。

気になること・不安に思うことは気軽に当院に受診してみてください。

【脳神経外科の主な疾患】

先程説明した疾患以外にも関連がある疾患を下に挙げます。

  •  脳腫瘍
  • くも膜下出血
  • 脳出血
  • 脳梗塞
  • もやもや病
  • 頭部外傷
  • 硬膜下血腫
  • 脳挫傷
  • 正常圧水頭症
  • 三叉神経痛
  • 認知症 など

これらの病気が気になる、心当たりがあるかもという不安がある方は早めに
脳神経外科を受診してください。

上記に記載した病気をいくつか簡単に説明していきます。

〇脳卒中

脳卒中とは、脳の血管に障害が起こる病気です。

代表的なものには脳の血管が詰まる脳梗塞と、脳の血管が破れる脳出血、
脳の表面のくも膜と脳の間にある血管が切れて出血するくも膜下出血があります。

脳卒中は、手足が動かないといった半身麻痺・言葉をうまくしゃべることができない
言語障害・頭痛・意識障害などの症状が出ることが多いです。

これらの重い症状が出た場合は、救急外来を受診しましょう。

参考文献:

脳卒中|頭痛外来や歯なら おひさま脳神経外科・歯科|広島市中区吉島
(ohisama-ikasika.com)

〇頭部外傷

つまずいて転んでしまった、事故に遭ったなどで頭をぶつけたり、頭を切ったりといった
頭のケガをしてしまうことは、どうしても起きてしまいます。

顔色が悪い、吐き気がする、傷からの出血が止まらない、つじつまの合わないことを
話すなどの症状がある方は迷わず脳神経外科への受診をおすすめします。

これらの症状の原因となる頭部外傷の代表的な病気として
頭部打撲・脳震盪、慢性硬膜下血腫、脳挫傷、頭蓋骨の骨折などがあります。

脳神経外科の当院ではこうした頭のケガに対応し、必要時は基幹病院に適切に紹介いたします。

参考文献:

頭部外傷|頭痛外来や歯なら おひさま脳神経外科・歯科|広島市中区吉島
(ohisama-ikasika.com)

脳神経内科とは

脳神経内科とは

脳神経内科は、脳・脊髄・末梢神経・筋肉の病気を診る科です。

症状としては、しびれやめまい、しゃべりにくい、頭痛、体を動かす、考える・覚えるなどの
ことが上手にできなくなったときに診療していきます。

ここまでは、脳神経外科とほとんど変わりはありません。

上記に記載した症状の原因となる病気は、脳卒中、脳炎、パーキンソン病、多発性硬化症、
アルツハイマー型認知症などがあります。

神経系の診察を詳細に行い、薬物治療を行うことが中心となる病気を診るのが神経内科と
言えるでしょう。

脳神経外科についての説明をしたときにも言いましたが、実際にこれらの症状は
日常のありふれたところに隠れています。

現れている症状に目を配り、早期に病気に気付けるようになるといいでしょう。

脳神経内科の主な疾患

  • 脳卒中(脳梗塞・脳出血)
  • アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)
  • レビー小体型認知症
  • 血管性認知症
  • 脳炎
  • パーキンソン病
  • 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
  • 多発性硬化症
  • 重症筋無力症 など

〇アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)

アルツハイマー病は、認知症の原因のひとつで、脳の神経細胞が減り、海馬などの記憶に
関わる部分など萎縮することで症状が現れる病気です。

新しいことが記憶できない、時間や場所が分からなくなるといった症状が特徴的です。

認知症の中で最も多いタイプで、主に40歳代以降の広い年代で発病し
特に65歳以上に多いとされています。

65歳未満で発症した場合は、若年性アルツハイマー病と呼ばれています。

発病のリスクを高める危険因子がいくつかあることが分かっており、糖尿病・高血圧・
頭部外傷の既往がある人などが挙げられます。

早く気付き、早く治療を始めれば進行を遅らせることができ、日常生活もしやすくなります。

また、将来のことや財政管理など、家庭内の重要なことを家族で話し合うことができます。

本人だけでなく、家族にとっても、早期発見・早期治療が大切です。

〇パーキンソン病

パーキンソン病は、中脳の黒質ドパミン神経細胞が減少し、脳の異常により体の動きに
障害が現れる病気です。

現在、日本には約20万人の患者さんがいると思います。

高齢者の多い病気ですが、若い人でも発症することがあります。

安静にしているときに手が震える(安静時振戦)、筋肉の緊張度が高まる(筋固縮)、
動作が遅い・少ない・小さい、バランス維持の困難(姿勢不安定症)などがみられます。

脳神経外科と内科のどちらでも見られる症状

症状としては、脳神経外科、脳神経内科にも大きな変わりありません。

  • 頭痛
  • めまい
  • 手足のしびれ、力が入らない
  • 首や腰が痛い
  • 耳鳴り
  • 眼に原因がない視力低下、視野が欠ける
  • 顔がぴくぴくしたり痛い、口角からよだれがでる
  • けいれん(一時的なもの)
  • てんかん
  • 頭部打撲 など

これらの症状が気になる方は脳神経外科・脳神経内科の受診をおすすめします。

上記に記載した症状についていくつか簡単に説明していきます。

〇頭痛

吐き気や痺れを伴う頭痛

頭痛でお悩みの方は多いと思います。国民の4人に1人という割合で、
日常でありふれた病気です。

ズキズキと脈打つような頭痛が急に起こる、吐き気を伴う頭痛などの症状があります。

そして、頭痛は大きく分けて2種類あります。

1つは、脳腫瘍やくも膜下出血などの怖い病気が原因の頭痛、そしてもう1つはそうした病気が
なくても起こってくる頭痛です。

ここでは簡単に説明していますが、おひさま脳神経・歯科のホームページでは、
頭痛で悩む方に原因や治療方法をわかりやすく解説しています。

参考文献:

【意外と知らない】頭痛(片頭痛)の原因・診断・治療・予防方法【専門医が解説】 | 頭痛外来や歯なら おひさま脳神経外科・歯科|広島市中区吉島 (ohisama-ikasika.com)

〇めまい

めまいには色々な症状が含まれています。代表的なものでは、天井や自分がぐるぐる回るように感じる回転性のめまいがあります。また、立っているとふらふら・ふわふわするような浮動性のめまいや、意識が遠のく立ちくらみのような感覚もめまいといわれます。

めまいには、命に危険が及ぶ可能性が高い場合や大きな後遺症が残ってしまうことがあります。

参考文献:

めまい|頭痛外来や歯なら おひさま脳神経外科・歯科|広島市中区吉島
(ohisama-ikasika.com)

〇体の半分がしびれる、力が入りにくい(脱力)

突然体の半分にしびれや力が入りにくいといった症状が現れたときには、脳が原因の脳出血、
くも膜下出血、脳梗塞が考えられます。その場合、すぐに脳神経外科を受診しましょう。

脊髄が原因の場合は、左右両方に症状が出る場合がある場合もあれば片方だけのことも
あります。

〇てんかん

てんかんとは、「てんかん発作」をくり返し起こす状態で、年齢・性別・人種の関係なく
発病します。

てんかん発作は、脳にある神経細胞の異常な電気的な興奮によりくり返す発作を特徴とし
突発的に運動神経、感覚神経、自律神経、意識、高次脳機能などの神経系が
異常に
活動することで症状が出現します。

そのためてんかん発作ではそれぞれの神経系に準じて、体の一部が固くなる(運動神経)、
手足がしびれたり耳鳴りがしたりする(感覚神経)、動悸や吐き気を生じる(自律神経)、
意識を失う、言葉が出にくくなる(高次脳機能)などの様々な症状を生じます。

脳神経外科と脳神経内科の共通の疾患

〇脳梗塞

脳梗塞とは、脳の血管が突然詰まってしまうことで起こる病気です。

詰まった血管に血流が流れなくなることで、脳に酸素や栄養が良き届かず、
脳細胞が死んでしまうことになります。

脳の細胞は、突然血流が止まると数時間以内に完全に死んでしまい元に戻ることはないです。

一旦脳梗塞を起こすと大きな後遺症が残ったり、命に関わることもあります。

症状としては意識障害・手足や感覚の麻痺、しゃべりにくい、視野障害、体のバランスが
取れない、などの症状が挙げられます。

少しでも後遺症を軽く、命に関わるリスクを減らすために、出来るだけ早い治療を開始し、
脳の血流を改善させることが重要です。

参考文献:

脳梗塞|頭痛外来や歯なら おひさま脳神経外科・歯科|広島市中区吉島
(ohisama-ikasika.com)

〇認知症

物忘れ

認知症とは脳の働きが低下して記憶や判断・思考などの認知機能が悪くなり、
日常生活に問題が起きる状態のことです。

原因としては、アルツハイマー型認知症が最も有名です。

その他にも、レビー小体型認知症や脳血管性認知症があります。

また、脳腫瘍や慢性硬膜下血腫、貧血、ホルモン分泌以上など、治療可能な病気で原因で
認知機能が
落ちていることがあります。

こうした場合は適切に治療することで認知症が劇的に改善することがあります。

参考文献:

もの忘れ・認知症|頭痛外来や歯なら おひさま脳神経外科・歯科|広島市中区吉島 (ohisama-ikasika.com)

脳神経外科と脳神経内科の違い!

入院設備・手術室がある病院の脳神経外科では、脳の外科的治療も含めた治療を行っています。

脳卒中や脳腫瘍、頭部外傷などが主な病気です。

脳神経内科は神経系の診察・薬物治療を中心とした病気の診療を行っています。

パーキンソン病・多発性硬化症・脳炎・認知症などが主な病気です。

広島市で脳神経外科や脳神経内科をお探しなら

おひさま脳神経外科

当院のような診療科目として脳神経外科・脳神経内科両方ある診療所では、
脳に関連する病気は何でも対応しております。

通院治療・飲み薬の治療や、脳卒中や認知症の予防治療などは地域のクリニックとして
大切な仕事です。

手術・処置が必要な患者さん、神経内科での専門治療が必要な患者さんは、
それぞれ病院の脳神経外科・脳神経内科に適切に紹介する、という役割を持っていると
いえるでしょう。

また当院では、頭部外傷の処置(縫合)や傷口を焼いて止血するなどの応急処置も
行っています。

他にも、MRI・CTを完備していることから脳腫瘍や脳梗塞などの命に関わる病気の初期診断を
することができます。

広島で脳神経外科・脳神経内科をお探しの方は当院にお越しください。

日本脳神経外科学会 専門医・指導医の院長が対応します

また、当院ではできない大きな手術や処置に対しては、提携する以下の医療機関を
ご紹介します。

手術が必要な場合

l  広島大学病院 脳神経外科

l  広島赤十字・原爆病院

l  広島市民病院

l  県立広島病院

l  荒木脳神経外科病院

l  梶川病院

l  一ノ瀬病院

院内を完全バリアフリー化しており、車椅子の患者様にも安心して受診していただけます。

 保育士が在籍するキッズスペースでは、無料でお子様をお預かりしていますので、
子育て中で頭痛やめまいにお悩みのママ・パパにも、安心して受診していただけます。

はじめて当院を受診される方はWeb予約をお願いします。

 脳神経外科Web予約をこちらから

以前受診したことがある方は、お電話にてご予約ください。

脳神経外科082-569-5728

本記事の作成者

高安 武志 医師・医学博士
日本脳神経外科学会 専門医・指導医
おひさま脳神経外科・歯科 院長

広島市中区吉島西1丁目22-13